れんげ
「お花摘みに行こう」
そう言われて出かけた近所の休耕田。
あの頃はまだ至るところにれんげの花が咲いていた。
深い緑色の草に折れそうな細い茎と何処か花火を思わせる小さな小さな深いピンク色の花![]()
此処にも彼処にも…と田んぼの中を夢中で駆け回り、両手いっぱいに摘んで作ったれんげの花束![]()
「はい!
」
満面の笑みで自慢げに差し出すと、
「ありがとう
」
喜んで受け取ってくれた。
いつも、どんなにつまらないものでもそうだった。
…そこには「絶対的な愛」があった。
どんなに勢いよくぶつかっても、必ず受け止めてくれる。
そしてそれは永遠に続くものだと思っていた。
終わりがあったとしても、それはまだ遥か彼方の遠い未来のことだと思っていた。
あの時までは…。
あれから
れんげの花
を見る度に思い出す。
何も知らなかったあの頃のことを。
今はもういないあの人のことを…。
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